あなたは、常勤医師として働いて辛い・辞めたいと思うことはありませんか?
私は以前、大学病院で医師として働いていました。
正直、その時の仕事はただひたすら辛いだけで、毎日辞めたいと思っていました。
週末も祝日も毎日病院に行って仕事をする毎日の繰り返しでした。
もちろん、当然の様にその仕事をこなす同僚も多くいましたが、私は「どうして休みが取れないのだろう」「良い仕事をするには気分転換も大事なのではないだろうか」とずっと思っていました。
ですが、当時は大学病院を辞めたら医師としてどこで働いたら良いのか全く分からず、辞めたいのに辞められない不安な気持ちでいっぱいでした。
その後、私は自分で海外の研究職の仕事を探してきて、形式上医局から留学するという形で大学病院を離れました。
実際大学病院を離れてみて、私は自分がずいぶん不健康な生活をしていて、メンタル的にもボロボロだったことに気がつきました。
そして、常勤医師を辞めてみて、どんどん健康になっていく自分にも気がつきました。
それなので、今回は大学病院を離れた私が、常勤医師を辞めて健康になった際に気がついたことについてお伝えします。
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私が常勤医師を辞めてフリーランスになった時、
常勤医師を辞めて最も健康を感じられたのは、当直が無くなったことでした。
常勤医師を辞めて当直業務が無くなって、私は慢性的な寝不足が解消されました。
当直業務は夜中1晩起きて(もしくは仮眠して)急患に対応する仕事です。
人によってはショートスリーパーで、1日2〜3時間寝たら十分な人もいますが、私は基本的に、睡眠時間をしっかりと確保しないと辛く感じます。
さらに、急患が来たらすぐに対応しないといけませんでの、いつ起こされてもいいように浅く眠っていました。
また、私は手術をしていましたので、救急外来に来た患者様がそのまま手術が必要になった時は、一晩中起きていて、休む事なく朝になったら日中の業務が始まる生活でした。
そのような状態が続くと、睡眠不足で頭が朦朧として、きちんとした診療が出来ない、ミスにつながる恐れがあると考えられます。
数日おきに徹夜をしていた生活でしたが、常勤医師をやめて当直業務が無くなり、夜にしっかりと睡眠が出来るようになるといかに睡眠が大事なのか思い知りました。
フリーランス医師になった今は、自分が間違いのない診療をするためには、自分の健康や睡眠を大事にする必要があると感じています。
当直と同様、夜中のオンコールが無くなりきちんとした睡眠が確保されて健康になりました。
オンコールとは、当直ではありませんので家に帰って問題ありませんが、入院患者さんの状態が悪くなったり救急外来に患者さんが来たら呼び出される状態にあることです。
同じ科には複数人の先生がいますので、持ち回りでオンコールを分けたら良いのですが、一般的には若手の先生が365日オンコールを受け持つことが現状です。
当直に当たっていない日でも、いつ病院から連絡が来るか分かりませんので、トイレ中もお風呂中も携帯電話は手放せない状況で生活していました。
日々、着信を聞き逃していないかビクビクしますし、当然眠りも浅くなります。
更に家にいても携帯が鳴っているかのような幻聴が聞こえ、常に着信を確認していました。
場合によっては病院ん出向きそのまま緊急手術ということもありました。
術後は患者さんをみる必要がありましたので、そのまま勤務が翌日まで続くことがほとんどで、自分の個人的な予定を入れることはできませんでした。
それなので、フリーランスになった今は、休みの日も夜も携帯電話を手放せない生活では無くなりましたので、心穏やかに生活できるようになりました。
健康的と言えば、常勤を辞めた方が規則的な食事をすることができるようになりました。
常勤の時は、外来が長引いたり、手術が長引いたりすると、食事を抜かなければならないことが多々ありました。
また、ゆっくりご飯を食べる時間がない時は、コンビニの菓子パンやおにぎりをささっと食べて診療に戻ることも多かったです。
それなので、何年もいつも同じような物、そしてその多くは炭水化物でした。
食事を抜いたり夜中に時間に食べたり、同じような栄養ばかり摂っていましたので、急に太ったり、体がだるかったり、ニキビが増えたりすることがありました。
現在は、フリーランスになり、常勤の時に比べると比較的規則的にご飯が食べられるようになりました。
更に当直やオンコールもなくなり、心の余裕が出来たためか、栄養にも気を付ける食事をするようになり、健康的になったと感じます。
意外かもしれませんが、診療をしていると日中に陽の光を浴びる事が少ないのです。
診療の際には、外から見られる心配が無いように、しっかりカーテンの閉まった部屋や窓のない部屋で仕事をしています。
また、手術の際には窓のない部屋で1日中光量が一定の蛍光灯の光の中にいるため、時間の経過がわかりにくいというデメリットがあります。
ヒトは日中に陽の光を浴びないとか、一定の光量を浴び続けることで時間経過がわかりにくくなることで、体内時計が狂うことがあります。
そのような生活をずっと続けていると、メンタル的に病んでくる場合もあります。
実は私もそのような状態になり、日中たまに陽の光を見るだけで、すごく安心て心が穏やかになる感覚に襲われました。
それなので、心の健康を保つためにも日中陽の光を浴びる仕事をする事ができるのはとても大事な事なのです。
いつも寝る時間がほぼ同じ時間にすることも、健康を保つにはとても重要なことなのです。
常勤医師として働いていると、どうしても検査や手術が長引いたり、当直があったり、オンコールで病院に呼ばれたりします。
そうすると、眠る時間が一定しなかったり、徹夜だったり、寝たと思ったら起こされたりする事は日常茶飯事です。
そのような睡眠スタイルが続くと、頭痛がしたり、寝付けなくなったりする原因になります。
また当然体内時計も狂ってくるので、気分が塞ぎ込んだり、気持ちが落ち込む原因にもなります。
それなので、常勤医師を辞めて当直やオンコール業務から外れてみると、ぐっすり眠れるようになり、気分的にもポジティブになれます。
社会人なら夜遅くまで起きていたり徹夜したりすることはたまにはあるかと思いますが、それが常時行われている常勤医師の働き方は、人によっては健康を害することになりかねません。
常勤医師は、本当に休みが取り辛い仕事なのです。
どうしても患者さんは365日いますし、入院施設のある病院では決して入院患者が0になることはありません。
それなので、基本的には担当患者さんを診るために、毎日出勤は欠かせません。
また、いつでも救急外来に急患が来て呼び出される可能性もあります。
そのため、私は自分が常勤医師の時には病院まで30分でたどり着ける場所までしか外出が許可されていませんでした。
もちろん、それぞれの先生の科によると思いますが、多かれ少なかれ外科系の医師はそのような生活をしているのではと思います。
私はフリーランス医師になってやっと自分の意思で、好きなように休暇が取れるようになりました。
国内旅行もそうですが、国際学会参加のために海外旅行にも出かけています。
そうすることで、気分転換が上手に出来て、戻ってきた後に診療にも集中できますし、次の旅行を楽しみに日々を過ごせています。
心の健康のためにも、休日は必要だと実感しています。
常勤医師は、働こうと思えばやることはたくさんあります。
これは、サラリーマンも一緒だと思います。
ですが、医師の場合は残業という観念がなく、皆さん残業手当がなくても仕事に区切りが付くまで自主的に働いています。
日々、夕方5時なると帰る大学病院や大規模の病院に所属する医師はほとんど見かけた事がありません。
ですが、フリーランス医師になると、ほぼ時間通りに帰る事が可能です。
時間を区切ることで、その時間まで仕事を頑張る・集中する、そして帰ったら家のことをする事ができます。
そうする事で、仕事後は家族や友人を過ごす事ができたり、家の中をきれいに保つ事ができて、心の安定につながります。
忙しい時や常に遅くまで仕事をしている時は、家のことが疎かになって部屋も汚く、食生活も不健康になりがちです。
それなので、仕事を定時に終わることができるということは、心や体の健康につながるのです。
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あなたは、日々心も身体も健康で仕事に向き合えていますか?
正直、私は常勤医師として働いているときは、すごく不健康だったと思います。
常に寝不足で、日中陽に当たらない為にストレスを感じて生活していました。
感じ方はそれぞれで、そのような状況でも何も問題なく健康に働ける医師の方もいると思います。
ですが、常に「辛い」「眠い」「ストレスがある」「家族との時間が取れない」などの心のモヤモヤを抱えて生活しているなら、より良い診療をするためにも働き方を見直すのはどうでしょうか?
大学病院の医局に所属する・常勤医師として働く以外にも、医師としての働き方は様々です。
大事なのは、医師自身の心と体の健康で、それを保つことでより良い診療につながるのではないでしょうか?