あなたは足のむくみや足がだるいということに悩まされていませんか?
足のむくみやだるさの原因の一つとして、日常生活の生活習慣が原因のことがあります。
それが、『立ちっぱなし』、『座りっぱなし』という状況です。
診療をしていると、立ちっぱなしの人の仕事は、『教師』や『料理人』『美容師』が多いですね。
また、足がむくみやすい人として、『妊婦さん』も挙げられます。
足のむくみが出ると、足がだるくなったり、人によっては、『足が痛い』『足がつる』『足の疲労感』という症状も出てきます。
そうすると、日常生活に支障が出ますよね。
足の症状が気になって、仕事に集中できなかったり、常にイライラしてしまう人もいます。
今日は、そのような『足のむくみ』『足がだるい』という症状の人に関わる病気や、その症状を取る方法をお伝えします。
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立ちっぱなしや座りっぱなしだと、足のむくみが出て、足がだるいと感じる人は多いと思います。
では、どうして立ちっぱなし、座りっぱなしは足の症状が出てくるのでしょうか?
立ちっぱなし、もしくは座りっぱなしだと、ふくらはぎを使わない状態が長時間になります。
そうしますと、心臓から足に流れた血液が、静脈を通って心臓に戻りにくくなるのです。
静脈は、動脈と違って血液を送り出すポンプ機能がありません。
しかし、足に流れた血液が心臓に戻る場合、重力に逆らって戻る必要があり、強い力のサポートが必要になります。
足の場合は、ふくらはぎの筋肉が動くことで、ポンプ機能の役割を果たしているのです。
それなので、立っている時間や座っている時間が長くなると、ふくらはぎを動かさず、足の静脈の血液が溜まってしまい、心臓に戻る血液量が少なくなります。
更に、立っている状態は重力が大きく足にかかるので、血液がもともと戻りにくい状態なので、足を動かさないと足の静脈に血液がたまりやすくなります。
それが、『足のむくみ』という状態を引き起こします。
夕方になると靴下の跡がくっきりつく人もいますよね。
それが『足のむくみ』です。
更に、そのような状態が長く続くと、人によっては、
という足の血管の病気を引き起こします。
立ちっぱなしが原因で、足のむくみやだるさを引き起こす足の血管の病気には、以下のものがあります。
これは、足の表面に近い血管(静脈)の血液が、逆流してしまったために起こる病気です。
足の静脈の血液が逆流するということは、足の付け根から足首の方に向かって流れるということです。
本来は、静脈は心臓に血液を戻す血管なので、足首から足の付け根に向かって流れないといけません。
それなので、足の下の方に血液が滞ってしまう病気です。
そうすると、以下のような状態が、足に見られるようになります。
足の血管(静脈)が張って、ボコボコして見えてしまうのは、足の血液が静脈内に貯まってしまって、静脈が大きく拡張してしまうために起こります。
この下肢静脈瘤という疾患は、命を落とすような疾患ではありませんが、治療をしないで放置すると危険な状態になることもあります。
足の静脈瘤の逆流を放置しておくと、『深部静脈血栓症』という、血液のかたまりが静脈内に発生するという病気を発症することがあります。
エコノミークラス症候群の原因となる疾患です。
深部静脈血栓症をそのままにしておくと、『足が痛い』『皮膚潰瘍(赤くなって皮がむける)』という状態を引き起こす場合があります。
静脈瘤が原因の皮膚潰瘍は、そのままでは治りません。
きちんと静脈瘤を治さないと、いつまでも潰瘍が続く、もしくは酷くなるということになってしまいます。
おかしいな、と思うことがありましたら、早めに医療機関を受診しましょう。
足の中心を流れている一番太い足の静脈の血液が逆流してしまう病気です。
けれど、この病気の原因となる血管は抜いてしまったり、閉じてしまうような治療をすることができないのが現状です。
(治療の詳しいことは、下の項目で書きます)
それなので、『足のむくみ』『足のだるさ』に対する対策をして、一生付き合っていかないといけない疾患です。
更に、その対策をしないと人によっては更に症状が悪化する人もいますので、放置しないようにして下さい。
日常生活で『足のむくみ』『足がだるい』という症状への対処法は主に以下の3つです。
足を動かすことで、ふくらはぎの筋肉を動かすことになるので、足の静脈に貯まっていた血液を送り出す作用があります。
1〜2時間ごとに少し歩き回るか、その場で数回しゃがんで立ってを繰り返して下さい。
私は仕事上、動き回ったり、しゃがんだりできないのですが…
仕事上、立っている場所から動けない時は、その場で膝の曲げ伸ばしをするだけでも効果があります。
立ちっぱなし、座りっぱなしの時間が長くなり、足の疲労感を感じたら、ぜひ少しでも足を動かしてみてください。
特に、足の場合は下(足首近く)から上に向かってマッサージをしてください。
足の静脈に貯まった血液は、通常下(足首)から上(足の付け根)の方向に流れるものなので、手を使ってそっとサポートしてあげましょう。
足の静脈に貯まった血液は、マッサージでも簡単に送り出されます。
ただし、マッサージはあまり強すぎないように気をつけましょう。
このタイプが一番メジャーです。
膝上までのタイプもありますが、大抵の人はヒザから下に症状が出ますので、これで十分です。
つま先があるタイプとないタイプのストッキングがありますが、これもお好みで問題ありません。
足の血流の流れを調べるには、侵襲の少ない(体に負担のない)方法は、
になります。
最近は、エコー検査の方が体への負担も少なく細かく血管を検出できると思います。
血液の逆流、逆流速度、どの血管に逆流が起こっているかを調べられます。
保存療法とは、「静脈の逆流を治すことは出来ないが、今の状態をこれ以上悪くさせない」という
ということです。
こちらの治療法は、『弾力性ストッキングを履く』という治療法になります。
静脈を圧迫する圧力をかけてくれるストッキング・靴下を履くことです。
逆流を起こしている静脈を圧迫すると、逆流を止めたり、逆流量を少なくすることができます。
それにより、足の血管の状態を今より悪い状態にさせないという治療法になります。
『弾力性ストッキングを履く』だけで、
といったような症状の改善を見ることができます。
ですが、『弾力性ストッキングを履く』ことをやめてしまうと、静脈の逆流が進んでしまいますので、必ず立ちっぱなし、座りっぱなしの状態の時は使用するようにしてください。
手術のメリットとデメリットは以下の通りです。
そして、デメリットという訳ではないのですが、立ちっぱなしの生活習慣があると、手術したのとは別の血管がまた静脈瘤を発症する可能性もあります。
下肢静脈瘤の手術は大きく4つに分かれます。
下肢静脈瘤の状態にもよりますが、最近は1の血管内焼灼術が主流になってきていると思います。
手術面でちょっとした技術も必要になりますが、体にとって負担の少ない手術を行うことができます。
血管内焼灼術はカテーテルで行う手術ですので、傷口も小さく、術後の回復も早い手術です。
2番は、血液の逆流している静脈そのものを抜き去ってしまう手術になります。
取っても大丈夫な静脈と、そうでない静脈がありますので、医療機関からきちんとした説明があると思います。
この深部静脈逆流の治療法は、『弾力性ストッキング』による保存的療法がほとんどです。
深部静脈は足のど真ん中を走っている大事な静脈なので、これを閉塞させてしまったり、抜き去ってしまうことはできません。
それなので、静脈を逆流させないように『弾力性ストッキング』で外から圧迫させることが重要になります。
一部の医療機関で『静脈弁形成術(逆流しないように静脈の弁を治す手術)』をしているところもありますが、まだまだ手術成績が安定していないので、一般的ではありません。
足がむくんだり、足がだるく感じるのは、足の血管の病気以外でも原因が考えられます。
例えば、心臓が悪い人や、腎臓の機能が悪い人は、体がむくむ原因となります。
また、妊娠さんや高度の肥満は、腹部から足に向かう圧力が大きくなるので、足の静脈の流れが滞ることが多いです。
そうすると、静脈が逆流したり、下肢静脈瘤を発症しやすくなってしまいます。
また、婦人科疾患などの腹部の手術の手術歴があると、時々お腹のリンパの流れが切られてしまっていることがあります。
そうすると、『リンパ浮腫』といって、足全体がむくむ疾患になりやすいです。
この『リンパ浮腫』も、弾力性ストッキングでの対応となります。
その他、足の動脈の病気や、坐骨神経痛という疾患になると、『足が痛い』という症状の原因になることもあります。
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足のむくみや、足がだるいということは、日常生活でも常に違和感を感じたり、不快な思いをしたり、ストレスを感じたりするものです。
それなので、もしあなたの生活習慣が、「立ちっぱなし」「座りっぱなし」ということがありましたら、ぜひ『弾力性ストッキング』を使用してみてください。
きっと、あなたの足のだるさの改善がみられ、日常生活でのストレスが1つ減ることとなるでしょう。
ですが、『足のむくみ』『足がだるい』ということは、その裏に原因となる疾患が隠れていて、それを治さなければいけないこともあります。
『足のむくみ』『足がだるい』ということを軽く考えてはいけません。
何か「おかしいな」と感じることがありましたら、ぜひ医療機関を受診してください。