2021年6月になり、個人事業主のあなたに自治体から社会保障費と税金の支払い通知がありましたか?
サラリーマンの場合は、必要な社会保障費や税金は給料から前もって引かれているため、最終的に手にする手取りは自由に使えます。
そこで引かれているのが、所得税、住民税、健康保険料、年金などといったことは知っていますか?
それに対して、個人事業主はまず仕事に対して「事業所得」を得て、後から社会保障費を支払う仕組みになっています。
それでは、毎月支払いをしないといけない、個人事業主が将来や節税のため毎月の支出を見てみましょう。
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個人事業主が生活費以外に固定で払う支出:社会保障費と節税の月の支払額は?
それでは、個人事業主である私が、2021年に実際に支払う生活費以外の毎月の支出を公表します。
項目 | 金額 | 節税 / 控除 |
年金 | 16,610円 (1) | ○ |
国民健康保険 | 最大 99,000円/ 月 (2) | ○ |
所得税 | (395,700円/ 1回)(3) | |
住民税 | (159,800円/ 4期)(3) | |
iDeCo(または国民年金基金) | 最大 67,000円/ 月 (4)(5) | ○ |
NISA / つみたてNISA | 最大 年40万円(月33,000円)(5) | △ |
小規模企業共済 | 最大 70,000円/ 月 (5) | ○ |
計(住民税ありの月) | 445,410円 | |
計(住民税なしの月) | 285,610円 |
(1) 2021年の年金保険料。毎年見直されます。
(2) 国民健康保険料は、前の年の収入により算出されます。
(3) 所得税、住民税は前年の収入により変わります。
(4) 国民年金とiDeCoは、最大額は2つを合算します。
(5) 最大額まで積み立てなくても可能
このように、個人事業主は、年度末に確定申告をした後に、3月〜6月を目安に税金額(所得税、住民税)と国民健康保険料が決定します。
そして、個人事業主は年金と国民健康保険料を事業所得の中から毎月支払いします。この時、サラリーマンに比べて会社が年金を半分払ってくれたり(厚生年金)、一般的に保険料の安い健康保険を利用することが出来ません。
また、退職金もありませんので、将来退職時にまとまったお金をもらいたいと思っていたら、自分で積み立てるしかないのです。
そのため、個人事業主は事業で得た事業所得から年金額を積み上げしたり、退職金用のお金を用意しないといけませんが、一部は税金を安くできる控除がありますので、それを利用することが出来ます。
個人事業主が生活費以外に固定で払う支出:社会保障費と節税の種類は?
まず、日本国民として必ず支払わないといけないものが、次の2点です。
- 国民年金保険料 (16,610円/ 月)
- 国民健康保険料 (99,000円/ 月):前年の収入による
時々、国民年金は「払わない」と選択している人がいますが、国民年金の支払いは国民の義務です。サラリーマンの場合は、自動的に給料から引かれていますが、個人事業主の人は支払いの手続きをするようにしましょう。
また、健康保険に関しては日本は「国民皆保険」といって、国民全員が健康保険に入る仕組みになっています。こちらもサラリーマンの場合は給料から自動的に引かれていますが、個人事業主の場合は、国民健康保険の保険料が自治体からお知らせが来ます。
これを支払うことで「保険証」が貰えますので、万が一、病院にかかる時には保険証がないと医療費が10割負担になりますので支払いをするようにしましょう。
この2点と、確定申告後に支払いのお知らせが来る「所得税」と「住民税」は、支払い義務のあるものです。
それ以外に前項の表で私が支払いをしている支出は、支払い義務はありませんが節税対策として利用しているものです。
国民年金基金
その一つが、年金の積み上げのための国民年金基金です。
なぜ「年金の積み上げ」をしているかというと、サラリーマンの場合は、会社が個人の年金に上積み分のお金を出している厚生年金を利用出来るのに対し、個人事業主は将来もらえる年金が少ない国民年金のみの支払いしか出来ないからです。
将来的に会社員をしていた周りの人たちが、自分よりも多くの年金受給額があることが確定しているので、65歳以上になった時に他人を羨むことがないように今から自分で年金の積み上げをしています。
こちらは、支払いに上限がありますが、支払った額が控除(節税)の対象になります。
私は国民年金基金を利用していますが、国民年金基金の代わりにiDeCoを利用することも出来ます。
ただし、iDeCoはもし将来的に海外移住を希望していましたら、その時にiDeCo口座を解約しないといけない場合もありますので、将来設計によっては利用しない方がいい場合がありますので年金積み上げ分として何を選択するかはしっかり調べてから利用するようにしましょう。
小規模企業共済
小規模企業共済は、掛け金が控除(節税)の対象となる貯蓄のようなものです。小規模事業の経営者が、退職時や廃業時の生活資金のために積み立てられるため、「退職金」代わりに使用することが出来ます。
月の掛け金の上限(月1,000円〜7万円)はありますが、積み上げた分から事業の貸付として借り入れることも出来ます。
私は、この制度を「自力で作る退職金」として利用しています。
つみたてNISA/ NISA → 新NISA
上記2つの節税対策と少し異色の積み立て制度に、つみたてNISA/ NISAがあります。こちらは(少額)投資非課税制度とも言われています。(2023年12月まで)
こちらは、積み立てる際には節税になりませんが、非課税枠を利用した投資の利益・分配金に掛かる税金が0となります。
簡単な違いは、年間非課税投資枠と投資期間です。
毎月少しずつ余剰資金を積み上げたいという人には、「つみたてNISA」がオススメです。また投資信託によっては長期間保有することで大きな投資利益が得られるものもありますので、複利の力を利用して資産形成をする予定の人にもオススメです。
同じ投資で資産形成をする予定なら、「非課税枠」があるなら利用した方がお得ですよね。
通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかりますので、つみたてNISA/ NISAを利用すると、この税金が全て非課税になるということです。
【追記】
2024年より、ついに新NISAが始まりました!
まず、つみたてNISA/NISAは新たに投資を追加することが出来なくなりますが、そのまま評価額は変化していきます。
資金に余裕があるようでしたら、これまでのつみたてNISA/NISAは解約せず保有しておくことをオススメします。
新NISAは、非課税枠が変わりました!
年間360万円となり、生涯投資枠は1,800円まで上がりました。
つみたて投資枠と成長投資枠に分かれています。
それぞれ投資ができる投資信託が異なりますのでご注意ください。
(一部の投資信託は、つみたて投資枠と成長投資枠で被っています。)
私は、この非課税投資制度を「自力で作る退職金+α」として利用しています。
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まとめ
このように、個人事業主が生活費以外に払わなければならない出費を見直してみると、毎月かなりの金額(28〜45万円/月)になります。
もちろん、一部は支払いをしなくていいものですが、個人事業主が自分で準備をしておかないと、将来的にサラリーマンの知人と比べて、
年金受給額が思っていたよりも低いだけど!
退職金のことを考えていなかったから、老後のお金が足りないかもしれない…
とお金のことで悩む原因にもなります。
個人事業主は、税金と最低限の社会保障の支払いさえすれば、あとは自分で出費のコントロールすることが出来ます。
その一方、老後間近になってから、「若い時に遊んでばかりいないで、節税目的で積み立てておけばよかった…」と思う可能性もあるのです。
確定申告をしている個人事業主は、毎年6月頃になると自治体から税金や社会保障費の支払いの通知が色々きて出費に悩まされると思います。
ですが、それでも、個人事業主のあなたには、事業所得のあるうちに税制上の優遇策を利用して、毎月少しずつ退職金や年金の準備をすることをオススメします。
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